ABL協会

Association of Asset Based Lending of Japan

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第2回シンポジウム開催

第2回シンポジウム開催(平成22年12月1日)

  「ABLの積極展開のために-問題点と解決策」と題したABL協会主催の「第2回シンポジウム」(後援:経済産業省、農林水産省、金融庁、㈱時事通信社)が12月1日、東京・銀座の時事通信ホールで開催されました。会場では約90人の参加者が、融資実務上のポイントや問題点などについて専門家の意見に聞き入っていました。
 まず、経済産業省の土本一郎・産業資金課長が基調講演で、「中小企業が在庫や売掛債権を担保に安定資金を確保できるABLには期待しており、コスト低減のためのIT(情報技術)活用が行いやすい環境整備に取り掛かるほか、動産登記制度の改善に向けて法務省との協議を進める」とABLを取り巻く環境の整備に前向きな意見を述べました。次いで、中島弘雅・慶大教授は「担保目的物の固定化(特定化)の問題など、倒産手続きにおけるABLの位置付けを決めることが、ABLを普及させるための根本問題だ」と指摘しました。
 続いて行われた実務担当者によるパネルディスカッションでは、ABLの法的基盤となる動産登記制度の問題点に関し、法律専門家や実務担当者が具体的に議論。司法書士の鈴木龍介氏は「動産登記制度ではその仕組み上、二重登記が十分あり得る上、融資実行前に確認が必要になる登記事項証明書の内容が1日遅れであることなどが、ABL普及の足かせになっている」と主張しました。
 また、金融機関のABL担当者によって融資業務の秘訣(ひけつ)なども披露され、福田知・福岡銀行常務執行役員は「顧客が在庫や売掛金に関する情報開示をちゅうちょするケースもあり、モニタリングの趣旨や顧客メリットなど十分な説明を心掛けている」と説明。「顧客のコベナンツ(誓約事項)抵触があっても制裁など機械的な対応をせず、実態把握に努めるのが肝要だ」と融資のポイントを指摘しました。
 出席者の間からは、「実務的で非常に内容の充実したシンポジウムだった」(大手銀行)、「登壇者のそれぞれの立場での問題点が改めて浮き彫りになって、今後の制度改善などに役立つのではないか」(専門業者)などと評価する声が聞かれました。